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中国で入院2/2

 ところで病院内には看護婦さんとは別に、掃除をしたり、車いすを押したり、食事を配ったりする人たちがいます。なんだか合理的。てんこ盛りにもらった果物はその人達に全部あげちゃいました。

 この人達と仲良くなると、入院生活もぐっと快適さが増します。彼らはどこでも出入り自由なので、病院内にあるものなら何でも持って来てくれますし、買い物を頼むこともできます。さらに食事が喉を通るようになりますと、食事の楽しみも増えてきますが、ここでは昼食は3種類、夕食は5種類あるメニューから好きなモノを選べます。
 彼らは紙に書かれたメニューを最初に持って来てくれて、内部情報を流してくれます。「この魚料理はマズい、やめとけ」とか「この肉料理は人気メニューだ、頼んでおけ」とか。ああ、中国らしい。

 昨日のうちに後輩が着替えと一緒に私のノートPCまで持って来てくれたのでメールだけでもと思い、一番美人な看護婦さんに電話コードをくださいとお願いしたのですが、結局手に入りませんでした。「今度あなたがここに来るときまでには準備しておくわ」と言われました。今度来るときって・・・。で、代わりに手に入ったのは彼女の電話番号とメルアド。どーすんだよ、こんなもんゲットしちゃって。

 ちょうどその頃はサッカーの日韓ワールド杯の真っ最中でした。点滴中に試合をテレビ中継していて、それを見ながらその美人看護婦さんがひとこと。
「日本チームは強くて、かっこいいわ。」
「え?でも韓国の方が強いでしょ。」
「でも直接戦ったら、私は日本が勝つと思う。」
「ありがとう。でもそんなに期待されてもなあ。」
「勝ってほしいのよ。私は韓国が嫌いなの!」
と、入院中に難しい東アジア諸国の関係について勉強しました。

 さて中国の病院は深夜といえども気が抜けません。夜中読みかけの本を手にうとうとしていたら突然廊下が騒がしくなりました。どうやらおばさんが何かもめているようです。
 すぐに収まるだろうと聞き耳を立てていたら、がっしゃーん!と大きな音がしました。どうやら何かを投げた模様です。
 誰だか知りませんが、ここを病院だと知っているのでしょうか?

 今度はあちこちで扉の開く音がします。声の種類が多くなってきました。ここは中国、間違いない、野次馬です。声のボリュームも大きくなってきています。やがてヒートアップモードに一人入りました。続いて二人目。
 誰だか知りませんが、今が深夜1時だと分かっているのでしょうか?

 興奮しすぎて何を言っているのか全然わかりません。とりあえず、私もスリッパを履いて様子だけ見に行きましたが、中国人のおばさんが二人、廊下と病室に別れて大げんかをしていました。
 誰だか知りませんが、ここは外国人専用病棟じゃなかったのか?
 とりあえず私に分かったことは「オマエら二人とも病人じゃない」ということだけです。

 後日談ですが、1年後に私は同じ病気でまた入院しました。その時優しかった美人看護婦さんはもういませんでしたが、電話線はちゃんと用意してありました。
 海外旅行傷害保険などに入っていれば、この快適で飽きさせないイベントがふんだんのアトラクションはタダです。


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コメント 4

rinda

おもしろそうなアトラクション。さすが中国。
怖い物みたさで一度経験してみたような気も・・・。一度でいいです(笑)
by rinda (2005-05-26 00:06) 

Tobermory

一度行くと病みつきになりますよ。私の後輩なんか中国人の医者が常に「入院だー」と言うのをいいことに、週末、診察を受ける前から着替えと歯ブラシ持って、「ちょっと入院してきまーす」と行きますから(笑)。
by Tobermory (2005-05-26 00:30) 

> 手に入ったのは彼女の電話番号とメルアド。
> どーすんだよ、こんなもんゲットしちゃって。

どーもこーもねぇでしょこの際。
by (2005-05-26 07:59) 

Tobermory

しばらく英語でメールのやり取りしてたんですけどね。私が妻子持ちと分かったらピタッとメールが来なくなりました。別に隠していなかったんですけど(笑)。それまでに文化大革命の頃には彼女のご両親が苦労したとか、なかなか興味深い話が聞けましたよ。
by Tobermory (2005-05-26 20:50) 

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